ヴァレ君暗躍篇(17巻〜46巻)

 

お次はヴァレ君暗躍篇ということで、17巻から46巻の間のヴァレ君の名(迷)台詞を記します。(実質的には22巻から26巻なのですが)
この頃はレムスの側でリーナスの補佐をしながら色々と政務を手伝ったり魔道師ギルド員としての活動をしているはずなのですが……中々出番がない上に名(迷)台詞も少な目です。まあ、要所要所でツボを抑えているから良しとしましょう。
多分に漏れがあると思いますので、「こんな名台詞がある」だの「ここが違う」だのというご意見がありましたら、ボードなりメールでなり申し出て下さい。(^^)

 


 


「あなたは気楽でよろしい、若君。私は、あなたのそこが好きなのですよ」
(本伝第二十一巻「黒曜宮の陰謀」第四話「仮面の恋」より)


この台詞がヴァレ君の本音なんでしょうね。
ため息交じりにつぶやくヴァレ君の姿が容易に想像出来ます。



「まったく、とんだ風邪らしい。何かがあったのだ、何かはわからぬが。まあ、しかしおれの知ったことではない。ケイロニア皇家の内紛はケイロニアが始末するだろう。いまはさしものパロも、国力を回復するのに全力をあげねばならぬときだからな。他国の内紛まで、気にしてはおられぬさ。が、こっそりきいたところでは、この皇帝一家の不在は、当のケイロニア宮廷の高官たちでさえひそかにうわさしあっていた。誰も、真相を知らぬらしい。が、まあいい、奥の手をつかってさぐるまでのことはあるまい。摂政公どのなら、用もなくてもひとの秘密を知っておいて、損はないだろうと思われるだろうが、おれはかえっていらぬことは、知らぬ方がいいという考えだからな」
(本伝第二十一巻「黒曜宮の陰謀」第四話「仮面の恋」より)


お互いに知的好奇心はあるけれど、この辺りがヴァレ君とナリスの違いかな?



「ちがうとも。騎、弓、徒、というだろうが。魔道は魔道をもって国に使える一兵卒。魔道は、魔道師ギルドにより、営業免許を与えられて、魔道をなりわいとし、人に魔道を教える師の資格をもつもの。おれはクリスタルの魔道師ギルドで、一級免許をもらった一級魔道師だ。いっしょにせんでいただきたいね」
(本伝第二十二巻「運命の一日」第四話「ケイロニア・ワルツ」より)


あわや拘束されかねない時に、何を言っているんでしょうかねぇ。(^^;
グインとヴァレ君が対面した、歴史的場面の一つです。



「とんでもない。――ただ、あの人は、おれのような下っ端魔道師には眩しすぎますよ。それだけのことさ」
(本伝第二十二巻「運命の一日」第四話「ケイロニア・ワルツ」より)


何やら含みを持つような言い方です。嫌味〜って感じ?



「陛下ときたら、威厳をとりつくろおうとするあまり、笑い方を忘れてしまったらしいよ。わがうるわしの摂政公はまた、別に下心あってのこととは思わないが、陛下がカラムの皮にすべって転ぶと必ずそのあとでそのカラムの皮の上を優雅にわたってみせる、という性分だからね。おれが陛下なら、目を丸くして拍手してやって、公をほめちぎってやるんだがね」
(本伝第二十二巻「運命の一日」第四話「ケイロニア・ワルツ」より)


ナリスとレムスをうまく表現していますねぇ。
でも、そこまでレムスを分析しているのなら、何とかしてやれよ〜と思ってしまいます。確か「カル=モルをそのままに――」と魔道師ギルドに進言したのもヴァレ君だし……。(^^;;;



「あの人は、必ずあいての弱みを握って優位に立ったと信じていなくては、安心できないんだ。人を信じて、下駄をあずける、なんてことが一番不可能なことなのさ。宰相としてはもってこいだろうね。そこが、あんたとちがうところさ」
(本伝第二十二巻「運命の一日」第四話「ケイロニア・ワルツ」より)


中原世界の中で「既にナリスと対面している中で」と限定すれば、ヴァレ君が一番ナリスの人となりを把握しているのでしょうか。
この台詞をヴァレ君は身を持って知ることになるのですが、これは後日の話です。(^^;



麗しの摂政公様曰く――

「私のことを、よくよく嫌いなのか、そりがあわないのかもしれないね。いいから、云わせておけばいい。万人に好かれるというわけにはゆかないし、イヤだというものを、私がどうこうとするわけにはゆくまいよ」
(本伝第二十五巻「パロのワルツ」第一話「パロのワルツ(一)」より)


これはヴァレ君のことをリギアに対して言った台詞です。
この時点において、ナリスは完全にヴァレ君の気持ちを洞察していますね。



(いかに、身をちじめ、小さくなってみせたところで、おおいかくせるような差異でもあるまいに。むしろ、けんそんしたり、陛下を立ててみせればみせるほど、陛下とのできの差があからさまになるばかりだというのに、いやみな奴さね。まあ、といって、他にどうしようもないのはたしかだがね。その人気で才智を見せ放題見せびらかしておれば、ついにはキタイの暗殺者ということになろうから。やれやれ、因果なこった――面白いこった!)

(ふん、さしもの摂政公どのも、ずっと小さくなっていて、少しばかり、うっぷんがたまっていたかな。これを絶好の機会に少々、羽根をのばしてやろうというのかな――いやしかし、たしかにそうやって存分に光輝いていると、まことに見ものではある。あれじゃ、陛下がいじけるわけさ。悪く云いたくはないが、陛下ももとはけっこうかわいい少年だったのに、このごろあのやせすぎと癇性で、どんどん、生ける骸骨みたいになってゆくものな。
 ヤーンよ
やれやれ)
(いずれも本伝第二十五巻「パロのワルツ」第三話「カドリール」より)


ヴァレ君の目から見る最近の摂政公です。
しかしまあ、言いたい放題言っていますねぇ。(^^;



「た、たしかに悪霊に憑かれちゃいるが、こ、この人の生身は大事なおれの国王陛下! この生身を殺したって、霊は死にゃせん。陛下だからまだいいが、これがナリス公にでもとっついてみろ! 何もかも、おわりだ! 待ってくれ、太子!」
(本伝第二十五巻「パロのワルツ」第三話「カドリール」より)


しかし「何もかも、おわりだ!」はないんかない?(^^;;;
カル=モルがナリスに取り憑く……これはこれで面白いとは思います。仮にナリスに取り憑くことが出来れば――の話ですが。



「私には三つの忠義があるのです。ひとつは私を拾い、育てて下さったリーナスさまの父上リヤ大臣へのご恩返し。もうひとつは、そこに籍をおくものとして、母国であるパロへの忠誠。そしてさいごに魔道師として、わがギルドへの忠誠。――いわば私はいつも三つの力にひっぱられ、その均衡のなかにいるので、万が一このどれかとどれかが衝突することがあると一大事なのです。自我存続の危機、と申しますかね。幸いにしていままでのところは、そういう危機はなくてすんでおりますが」
(本伝第二十五巻「パロのワルツ」第三話「カドリール」より)


読んだ時点では「いけしゃあしゃあと言っているな」とまあ、ヴァレ君らしい台詞なのですが、年月が経つとそうも言ってられないようです。
今はその「三つの忠義」を蹴散らしてしまった感があると思っていたのですが「三つの忠義」の上にナリスが座っただけなのかもしれません。
何にせよ、自我は(多分)存続しているようで何よりです。



「どう持ちまして」
「そういう個人とは、そんなになまやさしい運命のことじゃない。世界それ自体の運命と結びついている一人ですからね。いや、たしかにナリス公はたいへん興味ぶかい人物で、たしかに時代の、それにパロの主役でしょう。が、われわれのいう大宇宙のじゃない」

「あの方は、魔道師でも、科学者でもないわけですよ。つまり、人類の頭脳と運命を構成するギルドには、所属しておられない。ところが、それにもかかわらずあのかたは天性の才智と学識をもって、われわれと同じ野望をもつにまでいたっておられる。つまり、個人として単身、世界生成の秘密をとこうとね。これは、実はタブーですよ。成功せぬうちはよいが、万が一にも彼が成功しかけようものなら、我々の定めたもろもろのおきて、平衡はすべてくつがえされてしまうことになる。――もしそうなったら、我々は全力をあげてそれを阻止せねばなりますまい」
(本伝第二十五巻「パロのワルツ」第三話「カドリール」より)


「大宇宙じゃない」なんて言っているけれど、古代機械の秘密のせいで、しっかり狙われているナリスです。この辺りは「大宇宙じゃない」のかなぁ。ちと気になるところです。
まあ、せめてもの救いは「阻止しなければならない」事態にはなりそうにない、ということでしょうか。でも、これはこれで残念ですね、はい。


「私個人としては、公は、嫌いじゃありませんけどね」

「私としては、公がつまらぬまねをして自滅されても、笑ってみていられますね。――楽しくね」
本伝第二十五巻「パロのワルツ」
第三話「カドリール」より
……思えば遠いところへ来たものだ(涙)
思わず挿絵まで描いてしまいまいした。



 


「よ、よして下さいよ。どうして、私が、あんなじゃじゃ馬を」
(本伝第二十五巻「パロのワルツ」第三話「カドリール」より)

「じゃじゃ馬」じゃあ、誰を差しているのか直ぐに判るなぁ。(^^;
あと、この前の――スカールとリギアの後をついていくヴァレ君も中々面白いです。ふふふふふ。(^^)




「あの方も見栄っぱりですからね。敗北をみとめるにも、目のまえにおいておくのはいさぎよしとなさいませんよ」
(本伝第二十五巻「パロのワルツ」第四話「脱出」より)


見栄っ張りナリス……ぷぷぷ。



(何にせよ、この人はおれの――やっと気づいたばかりのあの思いのことまでも、見ぬいているのだろうか――)
(だとすれば――いつか、おれは…‥)
(本伝第二十五巻「パロのワルツ」第四話「脱出」より)


(いつか、おれは……)の続きの台詞を知りたかったです。
果たしてヴァレ君はどう思ったのか……う〜ん。



(わかっているんだろうが、黒髪の悪魔め)
(本伝第二十六巻「白虹」第三話「白虹」より)


この「黒髪の悪魔」は、勿論ナリスを差しています。
それから一年余り後、ヴァレ君は「悪魔」という単語を何度もつぶやくことになるのである(笑)



(一体、どうしてしまったんだ、おれは!)
(まるでばかのようじゃないか、なんだってその名まえをきいただけでこう、おれの頭はぐるぐる回りだすんだろう。何てこった――苛める? おれがあの人を嫌いらしいので――悲しい、と云ってたって……悲しい、って……)
(本伝第二十六巻「白虹」第三話「白虹」より)


自問自答しているヴァレ君です。
こういう様子を見ていると、ヴァレ君は恋に恋しているのではないかと思うのは気のせいでしょうか。(^^;;

 

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