ヴァレ君恋愛篇(47巻〜49巻)

 

さあ、いよいよヴァレ君恋愛篇ということで、47から49巻の間のヴァレ君の名(迷)台詞を記します。
今までワンポイント的な存在であったヴァレ君がメインキャラばりに登場しています。
多分に漏れがあると思いますので、「こんな名台詞がある」だの「ここが違う」だのというご意見がありましたら、ボードなりメールでなり申し出て下さい。(^^)

 


 


(俺は自分より背の低い、頭の悪い、気の弱い女なんか好きになったことはないんだ)
「な、な、何をおっしゃる、ウサギさん」
「い、いえいえいえ。もしそうだったらもっとずっとその――全然違う感じでお話しておりますとも――ええッ?」

「そういう可能性まで考えてもかまわないのでしょうか?」
いずれも本伝第四十七巻「アムネリスの婚約」
第一話「光の中で」より
ヴァレ君とリギアの密会シーンより。
ヴァレ君がリギアにちょっかいをかけている場面は各巻で少しだけ(本当に少しも少し)見られたのですが、ここまで具体的な場面は始めてでした。
それにしても、完全にリギアに手玉に取られているヴァレ君……笑ってはいけないと思いつつ、ついつい笑ってしまいます。(^0^;;
そして「う〜ん、ほのぼの〜」と思いつつ、湖畔でのデートに続くのである(笑)

 


私は、小さいときにあまりにも、生きのびるためだけの苦しみ、というのを味わいすぎたのかもしれません。私はただ、平和に、ものごとがとにかくなごやかに運んでいて、一日のかてに困らず、誰も殺し合いだのぶっそうな陰謀をだくらまず、すべてが丸くおさまっているのだけが望みなんです」
「リーナスさまのようにただ平凡で能力も野心もないというのならどんなによかったか、そうしたらそのときこそナリスさまが宰相としてぞんぶんに腕をふるえますからね。またもうちょっと陛下が器が大きくてもそれでよかった。もうちょっと年がいっているか、いっていないか――すべてが陛下にとってはもっとも辛いようにと目が出ているんでしょう。私はとにかくパロが平和で外敵から守られてすべてがうまくおさまってさえいれば満足なんです。いくさのときにははっきり申上げて陛下よりナリスさまのほうがどれだけ頼もしいかしれない。しかし平和のときには、ナリスさまは――リギアさま、あのかたは、たぶん平和のときにはご自分をもてあますだろうとはお考えになりませんかね」
本伝第四十七巻「アムネリスの婚約」第二話「それぞれの糸」より


またもや出ました「凡庸・平凡」論です。
昔から「いかにして丸く収まるか」を考えてきたヴァレ君ですが、これがまた中々他人に信じてもらえないというのも悲しいですね。
何故にヴァレ君がここまで愛国心があるのか、未だに謎です。(^^;



「あのかたも、反感をかいやすいところはおありになりますからね。――姫のようにナリスさま一筋、というかたが十人いれば、必ず、ナリスさまはけしからん、という人間も一人いるのだと思っていただいたほうがいい。ことにナリスさまはそれこそ、毒にも薬にもならぬというタイプではないですからね」

「これは不思議なものでしてね。それがいいことだとはまったく思いませんが……私のように、平和のためには傑物よりも多少凡庸な国王のほうがいいんじゃないか、という考えのほかに、もっとけしからぬ――英明で傑出した人材が国王になったら何ひとつ時分はうまい汁が吸えないじゃないか、と考えるものや、またそうした人物が国王になったり実権を持ったら自分のしてきたインチキや罪が露見するとおそれているものや、またもっと単純に、自分より人物なものをねたむもの、自分より美しいものをねたむもの――また凡庸な国王のほうが悪事をはたらき、私服をこやすためには好都合だと考えるもの、いろいろなものがいるんですよ。――もちろんまた、本当に開明的な人物が国家をおさめる実権を持ったら、これまでの秩序やその人間が正しいとずっと無条件に信じていた封建制度がくずされてしまう、それをいとう人間もたくさんいます。――ナリスさまはきわめて敵が多いのですよ、リギアさま。……いまでも、いやむしろいまのほうが、ね」
本伝第四十七巻「アムネリスの婚約」第二話「それぞれの糸」より


十人十色とは言うけれど、本当に色々な人間がいるものでして、こういうのを読んでいると「やっぱ封建社会って嫌だよな〜」になってしまいます。(^^;
しかしナリスが「毒にも薬にもならないタイプ」……立派な毒になると思うのだけれど……。(((((^^;

※その後で「ではない」と否定しているから「毒になるタイプ」と正しく評価しているのではないか、と言われました。……まさかとは思いますが「薬になるタイプ」と評価されたわけじゃないですよねぇ。(^^;



「そう、間違っています。でも、正しいことがいつも必ず望まれているわけじゃない」
本伝第四十七巻「アムネリスの婚約」第二話「それぞれの糸」より


至言ですねぇ。しみじみ。



 地の文より――

――もっとも、ヴァレリウスという男はこれでかなり自負心が強かったので、たえずこんなに気のまわる、警句ばかりいって韜晦をほしいままにしている、頭の鋭い油断のならぬ男のかたわらにいるというのは相当、そのうちに苛々してしまうだろう、ともわかっていたのだが。
本伝第四十八巻「美しき虜囚」第一話「遠い黒雲」より


……今でも苛々しているのかしら。
いや、今ならはらはらなのかしら。



「身にあまるおことばでございます」
 アル・ジュニウス
「わ が 陛 下」
本伝第四十八巻「美しき虜囚」第二話「よみがえるカル=モル」より


これは勿論わざとです(笑)
先にランズベール侯が同じ台詞を言って立ち去ったので、ヴァレ君も嫌味ったらしく言ったものだと思われます。
実はこの間のナリスとの問答も面白いのですが、長くなり過ぎるので割愛しました。



「私にはそのようなSM趣味はございませんよ、殿下」
本伝第四十八巻「美しき虜囚」第四話「塔の中で」より


いやはや、グインワールドでアルファベットをモロに言ったのはヴァレ君ぐらいではないでしょうか。まあ「拷問趣味」とか言ってもすっきりしませんからね。



いまとなってはナリスさまが何をされても、隠居されようが退隠されようが、宰相を辞任なさっても出奔されてもどうされてもパロは大騒ぎになるでしょうね。もういまとなっては引退なさることもできませんよ」
「どうして、普通の人間のように余分な好奇心は起こさず、巨大すぎる秘密には近づかず、仲良く楽しく普通の生活をいとなんでいらっしゃることがお出来にならんのです。あなたは」
「そんな退屈な毎日をこれから何年も送るぐらいだったら死んだほうがマシだよ。――さっきの黒蓮の粉にちゃんとダルブラの毒をまぜておいたかね?」
「ここであなたが暗殺されたらパロは大内乱が起こってしまうでしょうよ。さっき申しませんでしたか。生きたナリスより死んだナリスのほうがききめがあると」
「死んだ宰相も引退した宰相もあまり効果としてはかわらぬように私には思えますが」
本伝第四十八巻「美しき虜囚」第四話「塔の中で」より


ナリスとの問答です。
こういう場面はしばしあるのですが、中でもこれを選びました。
ヴァレ君らしいというか、ナリスらしいというか――う〜ん。(^^;
で、これらの台詞を要約すると「死んだナリスは生きたナリスよりタチが悪い」です。



「ナリスさま」
「いつもそのようにご冗談でまぎらわされて……あなたさまとて、生身には違いないんですよ」
本伝第四十八巻「美しき虜囚」第四話「塔の中で」より


ヴァレ君ならずともため息を吐きたくなります。σ(^^ )
本当にナリスってば……。



(やれやれ)
(トルクはトルクの穴を掘り、エルハンはエルハンの穴を掘る、とはよく云ったものだ!かつてあれほど理知的だったクリスタル宮廷も、こうなっちゃあいまやただの大混乱のるつぼにすぎんな。これもすべて指導者しだいということかね。やれやれ――!)
本伝第四十九巻「緋の陥穽」第二話「ルアーの鐘響く時」より


傍観者ヴァレ君です(笑)
しかし、まあ、他人事のように言っていますねぇ。
私はヴァレ君のこの「傍観者根性」が好きです。傍観者を装っているが、実は傍観者どころか中心人物だという……。



(まったく異なる世界――地上にまだ存在する――それが、我々が――)
(神、と呼んだもの――それとも……?)
(それとも、悪魔と、か……?)
(ナリスさま。――不幸なかただ。……単身そのような地点までたどりついてしまう人間は……たぶん、いつか必ず――何かの組織、そのような秘密をわがものとし、地上に覇を唱えようとする何かの組織によって、消滅すべし、という審判を下されざるを得ないでしょうに……)
本伝第四十九巻「緋の陥穽」    
第四話「クリスタルの風雲」より
 
「何らかの組織」がヤンダルだったりグラチウスだったりするわけですが……本当に狙われていますねぇ。
いずれにしても、このままで終わるわけがないのですが……。

 

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