ヴァレ君決断篇(58巻)

 

いよいよヴァレ君決断篇ということで、五十八巻のヴァレ君の名(迷)台詞を記します。
名台詞――というか長台詞が多く、こんなにも大量になってしまいました。あああ、何で絞り切れないのでしょうか。おかげで五十八巻以降の名台詞を載せるつもりが五十八巻のみとなってしまいました。
多分に漏れがあると思いますので、「こんな名台詞がある」だの「ここが違う」だのというご意見がありましたら、ボードなりメールでなり申し出て下さい。(^^)

 


 


「そして私がヴァレリウス伯爵だというのもまったくそのとおりですね。もっともこれは、単にナリスさまの意地悪と根性まがりのたまものですが」
本伝五十八巻「運命のマルガ」第一話「湖の邂逅」より

まあ、確かに宰相指名は嫌がらせだけでやったようなフシはありますが、伯爵は……ナリスと関わらなければこうはならなかったのでしょうけれど。(^^;;;

 


「なにせ、ひとことあのかたがリンダ姫は婚約者だ、とおっしゃっただけで、リンダ姫のお心が誰の上にあるかもわかりもせぬのにいきなり逆上してケーミから姿を消してしまわれるようなかたですからね、――まことに気が短いですとも。でもまあそのおかげで万事がヤーンのおぼしめしどおりに進んだというものだ――いやいや、そう考えれば、あなたの気の短さ自体がヤーンのおぼしめし、というべきかもしれないな。おかげでいまやリンダさまはクリスタル大公妃――そしてあなたはモンゴール大公の夫なんですからね。まことに不思議なヤーンのきずなだ」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第一話「湖の邂逅」より

現実の世界に「もしも」という仮定はなく、またグインの世界にもないのですが、それでも考えずにはいられませんね。
もしもリンダとイシュトがあのまま駆け落ちでもしていたら――中原は平和だったのだろうか――それともやはり――答えは出ませんが、イシュトはいずれ何らかの王になっていたかと思います。

 


「私は人相学もやるんですよ」
「そう、骨相学ですよ。人間の顔というものはその人の運勢や運命をあらかじめすべてあらわしている――ただし顔がかわれば運命もかわるし、運命がかわれば顔もまたかわるのも真理なのですがね――」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第一話「湖の邂逅」より

またもや出ました『人相学』。
以前アストリアスにも冗談交じりに話していたのですが……本当にやっているのかしらん。
――いや、それだけです。(^^;;

 


「たぶんあなたは――あのかたにとってさいごの運命の使者におなりになる。――あなたは昔、御自分のことをなんと名乗ってらしたか、覚えていますかね。私は覚えていますよ――あなたのことはどういうわけか、どんなこまかなことでも忘れたことはないんです。一番最初にあなたをクリスタルの下町で見付けて、あなたの額には運命の神ヤーンの紋章が刻まれている、と見分けたのは私だったんですよ、本当に」
「それがイヤだといってるわけじゃない。あのかたにとっては遅かれ早かれやってくることでしょうからね……ヤーンの運命のさいごの章はね。だが私は――もしできることならそれを少しでも遅くしたい。この中原を嵐の中にまきこむのを少しでもあとにしたい」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第一話「湖の邂逅」より

イシュトヴァーンが何を求めてマルガまでナリスに会いに来たのかをヴァレリウスは察していたのだと思います。そうでないと、この台詞は出ないと思います。
ただ、イシュトヴァーンがあそこまで直接的にナリスに告げるとは思っていなかったのかもしれません。もし、そうだと知っていれば………。

 


「昔はもっと楽しく生きていられたんだけどなァ。だからって、昔に戻りたい――とはもう、死んでも思わないですけど」
「なんでって、あのころは本当に何も持っていなかったからですよ。自分が何を持っていないのかさえすら知らなかったんだ」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第一話「湖の邂逅」より

愛する祖国、愛する主君(レムスではなくリーナスですね)、そして愛する人(リギア)――ヴァレリウスは愛するものを持っているのだと思っていました。
でも、その時でも、実は何も持っていなかったのですね。
ヴァレリウスにとっては、その想いは確かに純粋に抱いていたものであり、何よりも捨てられないものではあったけれど、あくまでもその想いは《市井の人間としての自分》という基盤の上に成り立っていて、何かがあったら崩れ、粉々になるような想いだったのではないでしょうか。
何だかこの台詞は、昔の――外伝7巻の頃のヴァレ君を思い出させます。生きて行くために『力』を持つことを望んだヴァレ君を……。

 


「でも私は――でも私はいまのあのかたのほうがすーっとすーっと好きですよ。あの出来すぎた生ける彫刻みたいだったときのあのかたよりもね。いまのあの寝たきりの病人になってしまったあのかたをあわれんだり、過度に哀しんだりするやつがいたら、私が目にものを見せてやるでしょうよ」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第一話「湖の邂逅」より

25巻の頃のナリスを冷ややかに眺めていたヴァレ君を思い出します。あの時点でああ思ったのは、ヴァレ君と――しいて言えばリギアぐらいしかいなかったのではないかと思います。
でも、ナリスは負傷したことによって「完璧な人間」に見せかけなくてもよくなった――まあ、常人よりも遥かに完璧なのですが――このことだけでも、ナリスにとってはよかったのかもしれません。

 


「短期は損気」
「急ぐときにはいつもの道。迷いたければ近道しろ。そう申しますよね」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第一話「湖の邂逅」より

確かに「急がば回れ」とも言いますけどねぇ。
(漢字合っていたかな?)

 


「俺がだってことはどうしてわかったんだ」
「それはもう。神はすべての波動に必ずその当人の署名をなさいますからね」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第一話「湖の邂逅」より

……だったら何で「死の婚礼」の時の偽ナリスや女装ナリスを見破れなかったのか……いや、独り言です。ほほほほほ。(((((^^;

 


「本当にゴーラの王座なんかが、あの呪われた古すぎる王冠なんかが欲しいんですか? あまり古い王冠なんてものにはたいてい亡霊がとっついているもんですよ。そして血まみれの手でその王冠をかむるものにはその亡霊たちの呪いも一緒にかならずとりつくのです。本当にそんなものになりたいんですか? 中原に血の嵐を呼び寄せるドールのあやつり人形に」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第一話「湖の邂逅」より

これは――私も本当にそう思うのですが――イシュトには王座を簒奪するよりも王座を――王国を作り上げてほしかったですね。

 


「魔道師がその力をすべて思いどおりにふるまったとしたらこの世の秩序はすべて崩壊しますよ。だから私たちは魔道十二条というかたい誓約によって縛られているんです」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第二話「凶星」より

ナリスですらよく把握しきっていない「魔道十二条」の全貌を知りたいです。せめて大元の十二条だけでもどこかで述べてくれないかなぁ。

 


「えい、その、姫とかいう馬鹿をいうのをやめろ。そのたびに――」
「リンダさまかと思われて心臓にお悪いですかね」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第二話「凶星」より

ぷぷぷぷぷ。

 


「そりゃもう。パロという国全体が面倒くささのるつぼみたいなもんですともさ。だから私はときたま、カラヴィァへ発ってゆかれたリギアさまをしんそこ羨ましいと思うんですよ」
「まあアルゴスでなくでまだしもですよね。これはあなたにいってもはじまらない」
「お前なあ。その、思ったことをなんでも口に出すらしいくせをあらためないと、いまにいのちとりになるぞ」
「それはもう、ほんとに肝に銘じているんですがね。友達が少ないもんでひとりごとをいう癖がついてしまってどうしても抜けないんです。困ったもんだ」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第二話「凶星」より

本当にヴァレ君って友達がいないよなぁ。まあ、魔道師なのだから当たり前なのかもしれませんが。
しかし、ここにてようやくリギアの名が出てきてほっとしております、はい。(^^;;;

 


「成り上がりの者のいやしい魔道師あがりの陪臣がこともあろうにパロの宰相に抜擢された裏には、おぞましい陰謀があるに違いない、とですか」
「確かにこれは陰謀かもしれませんね。でもとにかく私はもともと根暗でならしていたんです。最近はもっと性格が暗くなってきましたよ。ゆくすえに何ののぞみも持てないもんで」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第二話「凶星」より

ついでに伯爵になったことも加えましょう。

 


「だからこそ――うかがうのが、それをあなたの口からうかがうのが恐ろしくて、こうしてひきのばしているんでしょう――その瞬間に直面するのをひきのばしているんでしょう。本当に私は臆病者です――とことん、卑怯者の未練なばかものです」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」」第三話「黙示録の夜」より

この辺りは本当にヴァレ君にシンクロ状態で読んでいたのですが、ふと我に返ると「ヴァレ君も往生際が悪いなぁ」と思ってしまいます。(^^;;;(<ファンの感想ではないな、これは(苦笑))

 


「もう、覚えましたよ」
「あなたは、御自分でご存じかどうかわかりませんが、嘘をついておいでになるとき、ひとをだまそうとされるとき、必ず右のまぶたがふるえておいでになるんです。――それを見るたびに私は本当はあの――いつぞやのつづきを私がこの手でしてさしあげることだけがあなたを救うことになるのじゃないかという恐しい誘惑にかられる」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」」第三話「黙示録の夜」より

よくぞまあ覚えたものです。
でも、癖を覚えたことをナリスに告げたら、きっとナリスはその癖を治すに違いないです(笑) でもこういう癖って治せるものなのかな?

 


「いっそ、両手両足をすべて切ってしまったら始末がいいだろうか。いや、無駄ですね。あなたの問題はその舌と頭なんだから」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」」第三話「黙示録の夜」より

だったら、首を斬ったら今後の憂いはなくなるのではないかと……(ぼそぼそ)
#凄く失礼!m(_ _)m

 


「どうして、御自分でもう長く生きられないなどと決めてしまわれるのです! 私が生かしてみせます! なんとしてでもお守りして、生かしてさしあげますから、それを信じて、どうか、自暴自棄になることは!」
「ナリスさまっ!」
「それでも、かまいませんから! それでかまいませんから――生きていらして下さい。そんなふうに、御自分を――投出されるような真似は――もう、本当に――本当に――!」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第四話「運命のマルガ」より

無駄だと判っていつつも、言わずにはいられなかったのに違いない……私も本当にそう思います。

 


「あなたのサーガをさいごに反逆の章で終わらせるのはイヤです。あなたがイシュトヴァーンのサーガをこんなマルガでのつまらぬ暗殺で終わらせるのはイヤだとお思いになるように、私もあなたのサーガをそんなことで終わらせたくない、そうしたら私の一生も終わりです。お願いです、ナリスさま、どうか――どうか、彼にあすの朝――それはできないと――否とおっしゃって下さい。ごしょうです――あなたに捧げた私のすべての魂のお願いです。否とおしゃって下さい! 彼の望みをしりぞけて下さい!」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第四話「運命のマルガ」より

私もヴァレリウス・サーガがナリスに殉じる形で終わりを遂げるのは凄く嫌なんですけど……まあ、無駄だとは判っているのですが……。

 


「だからといって――」
「だからといって――なぜ、あなたが――なぜ、あなたがその彼を――彼を苦しめないために、彼を復讐鬼にしないために、彼の悪魔をときはなたないために――犠牲にならなくてはならないんです! あなたのいのちでなぜ彼の心をあがなわなくてはならないんです!」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第四話「運命のマルガ」より

ヴァレ君の気持ちはよ〜く判るのです。私もナリスファンとして、確かにそう思いました。しかし、それと同時に同じことをヴァレ君に対して感じました。何故ヴァレ君はナリスを選んだのだろうか――と(涙)

 


無情な(?)クリスタル公様曰く――

「ではお前を私のあやつる糸から自由にしてあげるよ、ヴァレリウス」
「これまで、苦しめてすまなかったね。――これから先の岐路はあまりにも重大で――いかな悪魔、ドールの子とお前がののしりつづける私でさえあわれみをもよおすよ――もう、お前は私の傀儡である必要はない。自分の道をゆきなさい。止めはしない。いつだって私は止めやしなかった――私は私で思ったようにするよ。行きなさい――クリスタルに戻って、自分の正しいと信じたとおりにしたまえ。サラエムのヴァレリウス」

「あなたをまきこむつもりははじめからなかった。――あなたが反対するだろう――どれだけ反対するかということもよくわかっていたし。……私は、これまであなたにずいぶんひどい仕打ちをしてきたけれど――それももうおしまいにしよう。ここから出てゆくのなら、この次に会うときには――敵どうしだね、ヴァレリウス」

「おかしいね――だって君はそのために私のそばにいたんだろう? 私の野望を阻止し、世界を私という悪魔の手から救うために私のそばにいる、君は確かにそういった――このまま放置しておけば私はたぶんおろかしい反逆の野望に身を殉じておそらく敗れて屍をいずこの野にさらすか――処刑台の露と消えるだろう。そうすれば私という悪魔はあなたの手を労せずともこの世から消え去る、あるいは――万一にも私が勝ってしまいそうなおそれを感じたらそれこそ――あなたみずからパロ宰相として剣をとり、兵をひきいて討伐にたてばいい。それともいっそその手間をはぶいていまここで禍根をたつか――あなたには何でもできるんだよ、ヴァレリウス宰相。私とともにおいで、などと私は一度だっていっていない」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第四話「運命のマルガ」より

ナリスの台詞なのですが、とてつもなくクリティカルヒットな台詞です。(^^;;;
だって、ナリスってば、こういう台詞を言ったことって今まで皆無に等しいぐらいになかったのでは――いや、ディーンにならあったのかな――いずれにしても、何というか、ナリスらしくないという感じがしました。今までだったら、適当に――それこそ巧みな話術によって騙くらかしかわしていましたよね。それがこの台詞ですからね……続きは下の感想に(涙)

 


「忠誠よりも――強いものが――ただひとつだけ、あったからでしょう……クリスタル公アルド・ナリス、という――」
「お供します。――それが私の運命なら、それをきわめるだけです。……あなたは、御自分の運命をきわめることを――望まれるのでしょう。ナリスさま」

「最初からわかっていました。……あなたが何を望んで――なぜ、そうされるだろうかということも……でも私は――でも私はそうしてほしくなかった――少しでも、遅らせたかった……あなたの――」
「もう、ヤーンの書に書かれていることは最初からわかっている、あなたの――あなたの――最後を――少しでも――遅らせたかっただけです……」

「お供いたします」
「地獄の底までも。――選ぶのはあなたではなくて――私のほうだということも――あのことばをきいた瞬間から――あなたのなかではお心はもう――決まるも決まらないもない、それしかないと思われたということも私には――わかっておりました。――だから、ただ――あがいて、もがいていたのは私だけです。もう、決心がつきました。あなたを一人でゆかせるわけには参りません。私も御一緒に参ります。永遠に」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第四話「運命のマルガ」より

私も五十八巻の最初のほうのヴァレ君の台詞や、57巻辺りのイシュトとカメロンの会話で――確かイシュトがナリスをパロの王座にとか言っていたような――ナリスが死の道を選ぶこと(反逆の有無に関わらず)を感じ、また、ヴァレ君も共に行くのだろうと――58巻の前半部分を読んでそうは思っていたのですが――それでも、いや、だからこそかもしれませんが、何故ヴァレ君がナリス・サーガに殉じなければならないのかと思いました。
ヴァレ君がナリス・サーガを反逆の章で終わらせたくないのと同様に私もヴァレリウス・サーガがナリスと共に殉じる形で終わるのは嫌なのです。ヴァレ君の気持ちは判ってはいるのですが、それでもファンとしては嫌なのです。まあ、実際にはナリスが共に逝くのを拒絶してくれるとは思うのですが……でもこれだとヴァレ君は失意のどん底……何か八方塞がりだなぁ。(^^;
――と思っていたのですが、最近、ちょっと自分の考えを文章化する機会があったので、この場面について思ったことを下に記します。

「どうして自分だったのか」
ヴァレリウスは何度も自問自答したことでしょう。でも、そのことは、同時に「何故自分はナリスを選んだのか」ということに繋がると思います。
ヴァレリウスはナリスに選ばれた時点で、素直に受け容れることも出来れば、拒絶することも出来たのに、素直に受け容れることも、また拒絶することも出来なかった――自分の気持ちが判らないまま、答えが見付からないまま、迷いさ迷っていたのではないでしょうか。
そして、答えが見付からないままナリスの側に居続け、まざまざと自分の気持ちを思い知らされ、打ちのめされ、あがきもがいてみたけれど、それでもやはり駄目で、逃げることも到底出来なかった。逃げることが出来れば苦労はしなかった。だから今の今までナリスの側に居続けてのではないでしょうか。
ヴァレリウスがいつその想いに――選んだのはナリスではなく自分だということに気付き、いや、気付いてはいたけれど恐くて目を背けていたその想いを、いつどのようにして認めたのかは私には判らないけれど、今の彼はその想いを認め、その想いと向き合い、迷うことなく歩んでいるのだと思います。
その道は破滅への道であり、辿り着く先は《死》しかないのだろうけれど、それでも私は彼らを見守りたいと思います。

 


「ヴァレリウス――本当に、後悔していないの?」
「していませんし、これからもするつもりはありません」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第四話「運命のマルガ」より

しかし、えらい絵の構図にしてしまったものです。
でも、この絵、実は「あさりちゃんの小部屋(プロフィールと更新記録のページ)」に置き去りにされていた代物だったりします。これにてようやく置き所が出来たわけです。(^^;
それにしても……しくしく(涙)<さっきからこればっかり。(^^;

 


「――さあ、あちらにお連れいたします。車椅子はああいう事情で、ぬすみ出せなかったですから、また私がお抱きしてまいりますからね」
「見かけによらず力もちだね、お前は。ヴァレリウス」
「魔道師ですからね」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第四話「運命のマルガ」より

確か49巻の時点ではヴァレ君はナリスを持ち上げることが出来なかったような気がするのですが――二人がかりでという記述があったような気がするし――ナリスが痩せ過ぎたのか、はたまたヴァレ君が力を付けたのかは知る由もありません。(^^;;;

 


「私はもう、魔道師の秘薬『小アグリッパの丸薬』を飲みましたからね、まる一日はもつんですよ。あれひと粒で」
「そんな便利な薬があるのなら私もそれでずっとすませられたらいいな。ものを食べるというのは面倒くさくてかなわないとずっと思っていたよ」
「駄目ですよ。この丸薬は魔道師のからだしか受付けないものだし――そのためにからだをととのえていますし――第一必要な栄養素が全部いっぺんに凝縮して入っていますから、普通のからだの人間にとってはかえって激烈に作用してしまうんですよ」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第四話「運命のマルガ」より

ナリスも異常に興味を示しているなぁ。
ナリスがこの秘薬を一つまみ口に含んだらどうなるか――死因がこれじゃあ、目も当てられないような気がします。(^^;;;

 


(ヤーンは作りたまい、結びつけたまう――そう、ナリスさまはオフィウスの詩を口ずさんでおられた……これが、ヤーンの意志か。この――かくも対照的な二人をここにこうして――おそるべき目的のために結びあわせ給うことが……ヤーンの最初からの意志だったのか……)
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第四話「運命のマルガ」より

こんなヤーンの意志は嫌だなぁ……(ぼそ)
しかも相手がイシュトだということがかなり……(ぼそぼそ)

 


 地の文より――

ヴァレリウスは、ナリスの唇からそのことばが出た瞬間、痛いほど、ナリスの肩にそっとのせていた手に思わず力をいれた――ナリスはちょっと眉をしかめたが、あえて振り払おうとはしなかった。
ヴァレリウスはイシュトヴァーンのほうへなど目もくれてはいなかった。彼はただ、ひたすら、狂おしいばかりのかぎろいを目のなかに燃え上がらせながら、ナリスの青白い横顔をにらみすえていた。覚悟はできている――そしてまた、すでにすっかり心も決まり、決死の腹もくくってはいたけれど――いまあらたに、その運命のことばがいとしいあるじの口から発せられるのをきいたことで、まざまざと待ち受けている未来を――真っ赤に燃える、地獄の炎にいろどられた一筋の滅びへの道を目のあたりに見てしまった、とでもいうかのように――
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第四話「運命のマルガ」より

……こうなると、もう何も言うことがありません(涙)

 


 喜びの余り、ナリスを抱きかかえて歩くイシュトに対して――

「いい加減になさい! モンゴールの野蛮人!」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第四話「運命のマルガ」より

気持ちは非常によ〜く判ります。(^_^;;;
全くもう……病人相手だというのに無神経なんだから……ぶつぶつ。

 


「パロ聖王、アルド・ナリス陛下万歳」
   アル・ジュニウス
「わが国王陛下」
「陛下のご治世が永遠ならんことを」
本伝第五十八巻「運命のマルガ」第四話「運命のマルガ」より

ヴァレリウスがこの言葉を発した瞬間、もう後戻りは出来ない――そんな感じがしました。
しかし、同じ「アル・ジュニウス」でも48巻の時点での台詞とは、台詞の重みに雲泥の差ですね。

 

  ―5―  

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