ヴァレ君反逆篇(71巻〜73巻)

 

そしてヴァレ君反逆篇ということで(最初はその前の分も「反逆篇」だったのですが、)、71巻から73巻までのヴァレ君の名(迷)台詞を記します。
相変わらず長文で似たような台詞が多いので、少しうざい抜き出す台詞を選ぶのに苦労しました。(^^;
あと、72巻はヴァレ君の出番は殆どなかったものの、ナリスがくどいぐらいにヴァレ君を心配していたので、ついついナリスの台詞も入れてしまいました。一応選びましたが、それでも、あまりにも多くなってしまったので、その分だけ別ページにしました。
まあ、多分に漏れがあると思いますので、「こんな名台詞がある」だの「ここが違う」だのというご意見がありましたら、ボードなりメールでなり申し出て下さい。(^^)

 


 


(俺は……とても少しのものでとても満足できる人間だった……自分でも自分があわれになるぐらい、何も知らず、何も持ってなくて……愛するものなど、本当に、ちょっとした情愛のかけらがひとつでもありさえすれば、それで俺は……幸せだったのに……)
(俺は……世界なんか望んでなかった……ましてや……こんな、マルガの夜のはてに、ただ二人ゾルーガの指輪の毒をあおってリリア湖に身をしずめてゆくほどの妄執など……俺は、望んだことなんかなかった……)
(そんなのはひとかけらだって自分にふさわしいとも、自分がそんなものにふさわしいとも思ったことはなかった。――俺は平凡な人間で、何のとりえもないつまらないちっぽけな無名の魔道師で……誰の注目もあびず、宮廷の華麗なひとびとの仮面舞踏会を面白く眺めていればそれで満足だった……自分が踊ろうとも、歌おうとも思ったこともなく、踊れるとも、歌えるとも思わず……)
(だのにあなたは……だのにあなたは……その地味でひそやかな俺の手をつかみ、強引にこんな――こんな目のまわるような激流の渦のなかにひきこんでしまった……)
(なんということだろう……)

あたたかく平凡で心なごませるリーナスの情愛と、リギアへのまぼろしのようなあわい恋を徹底的に失わさせられるのとひきかえに、自分が得た――いや、無理やりに手中にさせられたもの。
本伝第七十一巻「嵐のルノリア」第二話「夜叉」より


ヴァレ君というのは、これまでは非常に目立たないよう心がけていたのではないでしょうか。(実際には黒マントの魔道師なんて目立たないわけはないのだが、注目度は低かったと思う)
まるで自分が「変化」するのを恐れているかのように、とみに平穏に凡庸に生きていようとしていたような気がします。
そしてこの中で「満足出来る人間だった」と言っているけれど「満足出来る人間になろうとしていた」のほうが正しいかと思います。
何故「なろうとしていた」か――やはり、ここまでとはいかなくても、自分自身が変化することを恐れたのかもしれません。

ところで、最近とみに思うのですが、実はナリスよりもヴァレ君のほうが心が病んでいるのではないでしょうか。

何故なら、ナリスがヴァレ君に対する感情が「信頼」を軸とした感情なのに対し、ヴァレ君がナリスに対する感情とは「愛情(恋愛というよりは母性愛的なものかな)」を軸とした感情と思えるからです。
ナリスのほうがヴァレ君に心を寄せているのに対し、ヴァレ君はナリスの心を受け入れている(もしくは受け入れようとしている)――ということなのでしょうか。
勿論、どちらが良い悪いではないのですが、どちらが脆いか――危いかというと、それは後者のほうでしょう。こちらのほうが一旦崩れると脆くなりやすい感情ですから。「愛情」が強いうちは大丈夫だと思いますし、ヴァレ君は大丈夫だと思うのですけどね。(でも、やっぱり不安……)
でも、どちらがダメージが大きいかと言えば、前者かもしれません。特にナリスだと、計り知れないものがあるでしょう。

もしも、ヴァレ君がナリスに裏切られたと感じ、それを見てナリスもまたヴァレ君に裏切られたと感じたら……とっても恐いので考えたくはないです。(^^;(^^;



(そう――ですね、ナリスさま……あなたは……あなたは、すべてを失われた――さいごに残ったものをすべて投出して……おのれの信ずるところをなされようとしている。……これで、いいのですね。これで――私のちっぽけな情愛など、私という存在が生まれてきたことさえ――こんな小さな、とるにたらぬ人間がこの世にたまたま生をうけて存在したことさえ……何もかも、世界にとってはあまりにもとるにたらぬことなのですね……あなたのようなかたでさえ、すべてを捨てて――世界生成の秘密をとこうというもっとも巨大な野望、ひとが本当はみてはならなかった野望をさえ捨てて……その身をもって中原の明日をあがなう贄としようとされているのですから……)
(ああ――あなたが本当の悪党なら、悪魔なら、世界を征服せんとたくらむ悪魔だったら……なにもこんなに苦しみはしなかった。……あなたが悪魔なら、ただの恐ろしい悪魔にすぎないのだったら、あなたのそのどす黒い野望に加担することも、その野望を阻止するためにあなたの細首をへし折ることも、少しの苦しみもなくてすんだ。……あなたはどうして、いつも――こんなにも……こんなにも私を苦しめ……)
(そうして、一番私が苦しまなくてはならないようにしむけられるんです。――どうしてこんなところに私を連れていってしまわれたんです――!)
(そうだ、すべてあなたが連れて、いざなっていってしまわれた……あなたは私をどこに連れてゆくのです。どこまで――!)
(この世のはてまで――ああ、この世の果てつるところまで、ノスフェラスまで、星々のはてまでも――!)
(お供しますよ、ナリスさま……ああ、もう、私には、あなたしかないのだから……それ以外のすべては、もう私には……この世はあなたと、あなた以外の地獄、ただその二つだけにわけられてしまった……そしてあなたはさらなる地獄へと私をいざなわれる……)
(お守りしますよ、ナリスさま……ごらんになっているがいい。私の――私の忠誠を――私がひとにのれのいのちをかけた思いをむけるとは、どのようにむざんな地獄なのかを、とことんごらんになるがいい――いかなあなたのその飢えた心でさえ、ご満足なさるほどに……私は――あなたのために、どのゆないけにえをでもはふり――どんなに胸が張り裂けて血を流しても……あなたのために地獄をゆくことをおそれはしない……)
本伝第七十一巻「嵐のルノリア」第二話「夜叉」より


う〜む。見事な「ヴァレ君節」ですなぁ。(^^;
この巻は「ヴァレ君節」のオンパレードだったのですが、この辺りは特にそうですね。


振り切った「想い」の筈なのに、振り返らずにはいられない。
今抱いている「想い」よりも遥かに軽い「想い」の筈なのに、心の片隅でくすぶっている。うごめいている。
何故だろう。心のどこかで迷いがあるからだろうか。
一度生まれた「想い」は、そう簡単に捨て切れるわけはない。
それでも、いま、その「想い」を捨てようとしている。
果たして完全に「捨てる」ことは出来るだろうか?
完全に「なかったこと」にすることは出来るだろうか?
……多分、出来ないだろう。
いきなり記憶喪失にでもならない限り、それは出来ないだろう。
それでも、その「想い」を封じることは可能だと思う。
その「想い」が徐々に薄れていくことは可能だと思う。
今抱いている「想い」の「重み」によって……。


……なんか変なのを書いてしまったなぁ。(^^ヾ



「とんでもない。あなたはいつだって……」
「あなたはいつだって、私にとっては、小さい可愛い――大事な大事なリーナス坊ちゃんだったんですよ。そしてこれからもずっとね」

「では、お休みなさいまし。リーナス閣下……ゆっくり、お休みになれますように」
本伝第七十一巻「嵐のルノリア」第二話「夜叉」より


これがリーナスとの最後の会話……しくしく。



(俺の一生など……夢のようなものだ。夢そのものだ――夢だ、何もかも夢だ……俺が、あの金髪のいたいけな男の子を愛したことも――手をとって読み書きを教え、その無邪気な微笑みにはじめてのやすらぎと情愛を感じたことも――夢のまた夢だ……)
(俺は、夜叉になったのだから……俺は、たったひとつの守らなくてはならぬものの祭壇にすべてを捧げたのだから――そのためにすべてを失ったあなたのために……)
(もっと、酷いことでも――もっと、恐ろしいことでも……俺はためらわずにするだろう。何があろうと守らなくてはならぬもののあるとき、ひとはもうためらっているひまなどはない……)
本伝第七十一巻「嵐のルノリア」第二話「夜叉」より


何か70巻であれだけ言っていた割りにはすんごく躊躇っていたんですけど……当然か。(^^;
どうも「夜叉になった」というよりも「夜叉になる決意をした」ような気がします。いや、そんな決意は当の昔にしている筈なのですが、再決意といったところでしょうか。



(ああ、ナリスさま……あなたのために、俺は、リーナスさまをさえ手にかけようと……)
(その、俺を……信じて下さらなかったのですか?……きくのが恐しい。もしそうなら今度こそ……今度こそ俺は本当に、あなたを許すことができないかもしれない……)
本伝第七十一巻「嵐のルノリア」第二話「夜叉」より


そりゃあ、ナリスだから……じゃなくて。
第一、そう言ってしまえば「あなたもナリスを信じていなかったのか?」となりそうで恐いです。
それに、私はこの「リーナス殺し」はナリスではないと思うんですけどね。実際、ヤンダルによってリーナスはゾンビ化されるわけですし。



(ふりむくな、考えるな……くやむな、もう、心ゆらぐな、心弱い俺よ……悪魔に魂を奪われたからには、魂の底の底まで奪われて、奪いつくされてしまえ……そしてともに地獄の底におちたとき、はじめておのれの罪についてゆっくりと考える時間が……いや、永劫にでも、俺にでさえ与えられるだろうさ。……駆けろ、ヴァレリウス……もう、何も考えるな……)
(ナリスさま……たとえ、あなたが……正真正銘の悪魔であってさえ……)
本伝第七十一巻「嵐のルノリア」第三話「魔王」より


「走れメロス」ではないですが、とにかく「走れ!走るんだ!」と念じていました。(^^;



「あらわれたな。ヤンダル・ゾッグ!」

「われらの世界はわれらだけのものだ! われらの歴史は――侵略者には決して屈することなどない。われらはお前たちを追い払ってみせる――パロからも、中原からも! いや、キタイからも! この世界はわれらのものだ!」
本伝第七十一巻「嵐のルノリア」第三話「魔王」より


……いい台詞や。



(とにかく……こやつには……無念だが俺の魔力はまったくかなわない――手も足もでない。無念だが……ともかくいまはじっとたえしのび――こやつが去ってまたもとのように、さっきの魔道士の結界だけになるまで……待っているほかはない。とにかく、一国も速くナリスさまのもとに戻らなくては……あのかたはいまごろ……)
(ナリスさま――ご心配なさいますな。……ヴァレリウスは、すぐにでも……こんなところを脱出して……)
本伝第七十一巻「嵐のルノリア」第四話「カリナエの嵐」より


捕まった早々、ナリスのことばかり……いや、いいんですけどね。その後、それどころではなくなるので。(^^;



*** 番外篇「72巻ナリスの名台詞」はこちらです。(^^) ***

いや……ナリスがヴァレ君を心配する台詞があまりにも多かったので……その……(もごもご)



(落ち着け銭これに近い苦行もお前はしたことがある――一日に何刻もさかだちですごし、さいごには何日もさかだちのままですごす行も――指一本でからだをささえる行も――前は耐えて、こなしてきた。……それにくらべれば――魔道師でもないナリスさまさえうけたこの程度の苦痛など……落ち着くのだ。ヴァレリウス――できうるかぎり、おのれのからだを守り……おのれの能力を守れ……)
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第一話「竜のあぎと」より


……何だか凄く原始的な修行だと感じてしまったのは私だけ?(^^;
そこまでしないと能力というのは引き出せないものなのでしょうか。ううむ、ううむ。



(確かに――俺は、リーナス様を殺したのだ。……いや、チャンスがあれば、解毒剤が間に合うように、そう仕組んではおいた……だが、解毒剤は間に合わなかった……そしてリーナス様は死んだ……本当に、死んだのだ。それは確かだ)
こやつからは、不吉な――ぞっとするような、ゾンビーの匂いがする……恐ろしい、おぞましい――《死人》のにおいしかしない……)
(やはり、リーナス様は死んだのだ。この俺がこの手にかけて殺した……そして、ここにいる《リーナス》は……)
(ゾンビー)
(キタイの王のおそるべき魔力によって……よみがえらされた死体だ。これは……)
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第一話「竜のあぎと」より


71巻にて抱いていた疑念をすっぱりと取り払っていますね。
まあ、これでこそヴァレ君というべきか。



(俺としたことが、ふいうちをくらって……考えてみれば当然だったではないか……あいては黒魔道どころか、暗黒魔道師連合までが敵とみなす、黒魔道よりもさらに悪魔じみたキタイの竜王……そこにいかなる禁忌もおきてもあろうはずもない。……きゃつがどのようなわざを使ってでも、俺の最大の弱点をゆさぶろうとするのは当然だったのだ)
(くそ……ふいをつかれたとはいえ、なさけないぞ、ヴァレリウス……リーナス様のすがたに動揺し――あれほど打撃を受けてしまうとは……)
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第一話「竜のあぎと」より


そりゃあ、まあ、十分に予測出来たことではありますけどね。
ただ、いきなりゾンビーが出られたら、そりゃあびっくりするでしょう。そういう魔道を使うというデータはないでしょうし。
でも、そこからすぐに立ち直ってこそヴァレ君です、はい。(^^)



(いったい、パロ宮廷はどうなってしまうのだろう……)
(あんかたは……間違っていなかった。それでは……あのかたの夢想だと、それもただの妄想だと……いや、あるいは、あのかたが、おのれの反乱を正当化するために考え出した詭弁だと考えていたことそのものが……)
(いや……あのかたがおそれていた最悪の事態より何倍も――もしかしたら、おそろしい陰謀が進行していたのかもしれない……ナリスさまははからずもそれの一端に気づき、そしてそれをきっかけに反乱を決意されたけれども――本当は、それどころではなかったのかもしれぬ……)
(気づかぬうちにクリスタルの宮廷にいったい何がおこっていたのか……パロは――パロはいったいどうなってしまうのか……)
(早く……俺の見たすべての情報をもって、ナリスさまのもとへ脱出しなくては……あのかたとて、あのかたのすべてのあの知力をもってしてさえ、こんな――パロ宮廷の重臣たちがひそかに竜王の傀儡にすりかえられてゆくような事態など、想像もしていまい……しかも……しかも……)
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第一話「竜のあぎと」より


本当に何が起きているんでしょうかねぇ。
というか、こうなるまでに、魔道師ギルドやジェニュアは気付かなかったんでしょうかね。まあ、竜王の魔力が巨大だと言えばそれまでですし、間者が入っている可能性は大ですが、それにしても気付かなすぎです。
やっぱり、初期段階におけるレムスへの対応――というか、カル=モルの霊魂の調査をもっとしっかりさせておけばよかったんでしょうね。最も、様子見を進言したのはヴァレ君っぽいですが。(^^;(^^;



(俺は……俺は何があろうと……生きてナリスさまのもとに……)
(俺がいなければ、あのかたはどうなる……自分の身を自分で守ることもできないあのかたは……冷酷非情な陰謀家の仮面の下に、あんなあどけない、幼い子供のままのような魂を隠したあのひとは……同じ部屋のなかの本をさえ、とるために立ち上がることもできぬあのかたは……)
(どんなに、案じておられるだろう、どんなに、不安に思っておられるだろう……どんなに、不便で、困っておられるだろう……俺は、一刻も早くこのへまな虜囚のはずかしめから抜けだして、あのかたのもとへ還らなくては……)
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第一話「竜のあぎと」より


いやぁ、君がいなくても身の回りのことは他の人がやってくれるでしょう(笑)
……でも、ナリスがヴァレ君の身を案じているのは事実なんですよねぇ。



(落ち着け……落ち着くんだ。じっと、力をためろ――まずは、力を溜めろ。たくわえろ……《気》を集中させ、おのれのなかに溜まってゆく《気》を全身にゆきたわらせ――いつもの上級魔道師ヴァレリウス、ギルドのナンバー10たるこの俺の本来の力をよみがえらせるのだ……)
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第一話「竜のあぎと」より


本当ですかぁ?<ナンバー10
ヴァレ君の活躍ぶりを見ている範囲でも、どうも胡散臭いというか法螺っぽいのですが……。(^^;(^^:
しかし、逆にこれが本当だとすると、パロ魔道師ギルドにはそこまで人材がいなかったということでしょうか。確かに上級魔道師の上には導師と大導師しかいませんけどねぇ……。
ところで、ヴァレ君より先に上級魔道師になりつつもヴァレ君に眠らされたことのあるロルカは、ナンバー9なのかナンバー11なのかが気になるところです。(^^;



(焦るな。ナリスさまのことも、いまは考えるな……お前は……あのかたのことを思うと必ず判断が狂う……必ず《気》が乱れる……それほど、あのかたに呪縛されている……いまは、あのかたのことは考えるな。あのかたは大丈夫だ……あのかたは強い。あのかたは……神の加護がある……そう考えて……あのかたのことは考えるな……おのれの力をあげることだけを考えるのだ……)
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第一話「竜のあぎと」より


今更何をおっしゃるコウモリさん(笑)
……と言ったところでしょうか。



ユリウスとヴァレリウスの会話より――

「ほら、撮り返してきてやった。――これ、大事なんだろ。あんたとお姫様の結婚指輪だもんなあ」
「それはかたじけないね。貰ってもいいのか?」
「いいよ。そのためにぬすみだしてやったんだ」
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第一話「竜のあぎと」より


け…結婚指輪ですか。
そう言えば、掲示板では「新婚ボケ」と言われたような気が……あははははは……。(^^;(^^;(^^;



ユリウスとヴァレリウスの会話より――

「美しすぎるユリウスさまとかさ。……ねぇ、こんなさいだけど、まだちょっと時間あると思うから……おいらと……してみない? おいら、これでも前から思ってたんだよな……天下のパロ聖王様とおいらとどっちが**かなーって」
「断るね。そんな暇はない」
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第一話「竜のあぎと」より


勿論、暇があっても「そんな暇はない」に決まっているのですが。
しかし、ユリウスって、本当に節操がない奴ですねぇ。(^^;



「情勢は、どうなっているんだか、教えてくれないか、淫魔の大将」
「それによっては、俺の特製の媚薬の作り方を教えてやってもいいよ。どうせ、そんなもの、よく知ってるだろうけど、俺のもなかなかききめがいいんだぜ」
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第二話「脱出」より


まあ、魔道師だから知っていて当然なんですが……ヴァレ君も交渉が上手いなぁ。



ユリウス曰く――

「おいらもいろんな奴をからかったけど、アンタが一番面白くないよ」
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第二話「脱出」より


今までヴァレ君のことを「面白くない」と言った奴はいなかったので、ちょっとカチンときましたが、よくよく考えてみると、ユリウスが相手の場合、「面白い奴」だと困るんですよね。(^^;
それにしても、ヴァレ君はユリウスの挑発を上手くかわしているというか、あしらっていますねぇ。



「ヤンちゃ……ああ、わかったわかった」
「ほんとに愉快な人に助けてもらって俺は幸せ者だよ」
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第二話「脱出」より


ヴァレ君の悲哀というかあきれぶりが見事に想像出来ます。
つーか、ヴァレ君に「愉快な人」と言われるユリウスって……。(^^;(^^;



(俺は……あのかたのもとに……還る……)
(何があろうともだ。何があっても……魂だけになっても、俺はあのかたのもとに還る……)
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第二話「脱出」より


いや、魂だけになられるとファンとしては困るのですが。(^^;
やはり無事生存していてほしいです、はい。



「私は、パロ魔道師ギルド所属、カロン大導師に師事する上級魔道師ヴァレリウス」
「お目にかかれて光栄……といっておきますよ、グラチウス老師」
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第二話「脱出」より


ヴァレ君のちゃんとした名乗りです。(^^)
ちょっとふてぶてしい台詞もナイスです。
多分会うことはないと思いますが、これがイェライシャやルカ相手だと言葉使いも違ってくるのでしょう。基本的にヴァレ君って相手を見て言葉使いを変えているようですし。



闇の司祭曰く――

「お前さん、本当に態度がでかいな」
「そんな奴だとは知ってはいたが、それにしても……いったい、姫は、こんな奴のどこがいいのだ?」
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第二話「脱出」より


巨大なお世話だっ!!(^^;(^^;
……でも、態度がでかいのは本当なんですけどね。



「それは――わしが恐れているのは――イシュトヴァーンのもとにアリストートスの亡霊をよびおろし、イシュトヴァーンを血ぬられたゴーラ王となし、モンゴールをほふるという仕掛けをした当人ではないかとわしが疑っているのは……」
「《大導師》アグリッパ」
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第二話「脱出」より


この名前がついに出ました。
でも、この名をヴァレ君に言わせておいて、自分の結界が揺らぐ結果になったのでありました。軽く揺さぶられたぐらいですけど。
しかし、こういう上位の魔道師の方々って、どうして自分の名前を呼ばれると反応するのでしょうか。そんなにも自分が監視していると証明したいのでしょうか。



「わしは、きゃつに会えん。それはもういっただろう。きゃつは黒魔道師を侮蔑しているし、わしのことも――そのう、わしのことは、かねてからおろかしいはねあがり者の若僧として歯牙にもかけていないということはわしはあるところからきいたことがある。……まああちらからみたらそんなところだろうさ。わしはまだ若いからな」
「ぶっ。三千年と八百年を比べたら確かにそうなんでしょうねぇ」
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第三話「魔都クリスタル」より


わはははは。確かに(笑)



「唯一、私のことばを信用する? とんでもない。ナリスさまは私のことばなど、まったくお耳には入れますまい。むしろ私のすすめたことの反対になさるよう、天邪鬼をばかりしておられるように私には思えますよ」
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第三話「魔都クリスタル」より


んんん〜これについては何とも言えませんが、取り敢えず、ヴァレ君の反対を振り切ってイシュトと同盟を結んだ件に関しては、やっぱり……その……ねぇ……(ぼそぼそ)。



「グイン――また、グインか」
「グイン――グイン、いったい何者なんだ! なんだって、このただひとりの豹頭人身の男がこれほど、中原にとって大きな意味をもってしまったんだ――いったい、いつから」
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第三話「魔都クリスタル」より


まあ、だからこそ「グイン・サーガ」なわけですが。



闇の司祭曰く――

「だから、イシュトヴァーンの前にあらわれた魔道師はヤンダルではない、というほうにわしは神聖な――神聖な……特に神聖なものもわしにはもうないのだが、わしにとってはとても神聖なわしの評判にかけて誓ってもよいくらいだ」
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第三話「魔都クリスタル」より


ヴァレ君とは全くもって関係ないのですが、面白かったのでつい入れてしまいました。
しかし、彼の評判って一体どんな評判なんでしょうかね。
彼を研究している人がいたとしても、彼の本性(?)は中々判らずに、偉大なる邪悪な魔道師として恐れられているんでしょうね。(実際には単なるエ○じじいのような気が……。(^^;)



ロルカ曰く――

「〈闇の司祭〉!」
「〈闇の司祭〉――おお! ほんものの、正真正銘のグラチウスだ……」
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第三話「魔都クリスタル」より


こちらも関係ないですが、感動したのでつい(笑)
はっきり言って、ロルカのこの台詞が出るまで、闇の司祭が偉大なる三大魔道師の一人であることを失念していました。いや、単語としては記憶にあるのですが、普段の様子を見ていると、実感は出来ないんですよね。
しかし、ロルカのこの反応に比べると、ヴァレ君って……。(^^;



ナリスとヴァレリウスの会話より――

「ヴァレリウス」
「私は……私はお前を見捨てたよ……お前のいのちとひきかえに古代機械の秘密をt脅迫されたとき――竜王が夢の回廊を通ってあらわれてきて――私は、お前を見捨てたよ。……それは、竜王の魔力によって、お前にも……届いただろうね」
「ずっと続く拷問で朦朧としておりましたから、どれが夢とも、どれがうつつとも」
「それに、たかがわたくしのいのちごとき、パロ聖王がそのようなかけひきの材料に値打ちがあるとお考えになるようなものではございません。――私は剣をお捧げしております。わたくしのいのちなど、いつなりとも、アル・ジェニウスがお望みになったそのときに、陛下のものでございます。まったく、お心にかけられる必要などございませぬ」
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第三話「魔都クリスタル」より


ほほほっ。ヴァレ君も格好よく決めてますね。
しっかし、ヴァレ君ってナリスの前では猫かぶりまくりじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか?(^^;



ナリスとヴァレリウスの会話より――

「ヴァレリウス」
「お前――本当に、お前だろうね? まだ信じ切れない」
「本当に私ですよ、ナリスさま」
「あの――あの指輪は……どうなった?」
「………」
ヴァレリウスは黙って胸元をひらき、一瞬そこにかけられている指輪を示した。それから、あらためて一行をうながした。
「さあ、急ぎましょう。もうクリスタルはわれわれの美しい都ではなくなってしまった。いまのクリスタルは、魔王の跳梁する魔都でしかないのです。魔王がもどってくる前になんとかして魔都を脱出しなくては」
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第三話「魔都クリスタル」より


まーあ、前巻であんなにも瀕死の状態だったヴァレ君が、こうも無事な状態でいきなり登場したら、いかなナリスでも疑いますがな。
大体、その指輪だって、ユリウスから返してもらたものだから、中身がどうなっているのかは保証出来ないですし。(と、不吉なことを言ってみたり)



(お気が弱られましたか。アル・ジェニウス)
(私をケイロニアにゆくよう、お命じになったのはあなたですのに。――大丈夫です。私は何があろうともあなたのもとに戻ります。必ずアグリッパを説得して味方につけて戻ってまいります。何も御心配なさらぬよう)
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第四話「よみがえる悪夢」より


確かにケイロニアへ行くように命じたのはナリスですから、この点に関してはヴァレ君が一本取ったというところでしょうか。
でも、ヴァレ君ってナリスに対しては、本当に安請け合いしますねぇ。今まではその都度なんとかこなしてきましたけど。



(私が戻るまでは……決して、何があろうと、ゾルーガの指輪はつかわれないと。――それがお約束していただけぬうちは、私も心やすらかに出発できません。――お願いです。ナリスさま――それだけ、お約束して下さいますね)
(私が戻るまで、決してゾルーガの指輪はお使いにならない……その貴いおいのちを、短慮に断たれない、捨てられない、と。――このようなお約束では心ともなければ……)
(私と――私とともにだけこの指輪を使うと――それとも、私が――私があなたをこの手にかけるまでは、生きていて下さる、と……よろしいですね? よろしいですか? きいて下さいますね?)
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第四話「よみがえる悪夢」より


いい台詞ですねぇ。(T-T)
ただ、こういう台詞って、これが二人にとって最後の会話だった――という予兆がしてきて、どうも不安になるのです。
それに、ナリスが指輪を使わなくても……とか、道中にヴァレ君の身に何か起きたら……とか、色々不安は尽きません。

ところで、ここでも「ゾルーガの指輪」ですよね。
私も二人が持っている指輪を「ゾルーガの指輪」と言ってしまうのですが、ゾルーガってあくまでも毒の名前で、二人が持っている指輪の名前はそれぞれ「ゾルードの指輪」と「ドーリアの指輪」で対になっていると思うのです。もしかして、この二つの指輪の総称が「ゾルーガの指輪」なんでしょうかね。



「ナリスさま……」
「必ず戻ってまいりますから……それもいくらもかからずに。十日ほどあけずに戻ってまいりますから。必ずよい結果を持って」
本伝第七十三巻「地上最大の魔道師」第四話「よみがえる悪夢」より


よい結果は持って来れなくても、生きて無事に返ってきてくれればいいです。霊魂だけというのは却下の塔行きですので。
ナリスだってきっとそう望んでいる筈です。(多分……)

 

  ―9―  

魔道師宰相執務室
上のバナーをクリックすると、魔道師宰相執務室へ戻ります