ヴァレ君反逆篇番外
〜72巻分ナリスの名台詞〜

   

ここは「ヴァレ君反逆篇番外〜72巻分ナリスの名台詞〜です。 
72巻であまりにもナリスがヴァレ君の名前を連呼しているのでちょっとうっとおしいので、あくまでもヴァレ君名台詞集のおまけとして、72巻のナリスの名台詞(但しヴァレ君関係のみかな?^^;;)を抜き出すことにしました。 
長文で似たような台詞が多いのですが、今回はとあるお方から抜き出しデータを戴きましたので、全くもって負担は軽かったです。(その分、コメントを考えるのに苦労しましたが。^^;;) 
まあ、多分に漏れがあると思いますので、「こんな名台詞がある」だの「ここが違う」だのというご意見がありましたら、ボードなりメールでなり申し出て下さい。(^^)
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「甘く見ていたわけではない。甘くなど見ていはしなかった。それどころか、どれほど絶望的な戦いをわれわれがいどんでいるのかは、最初からわれわれほどわかっている者はいなかったといっていいはずだ。だが……これほど早く、ヴァレリウスを奪いとられるとは……だから、宮廷に戻ってはいけないと、あれほどとめたのに……」
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第一話「反乱勃発」より

 
まーあ、今回捕らえられたのは、明らかにヴァレ君のボカですよね。(この台詞、自分で言うのはいいんですけど、他人に言われるとむっとするんですよね。ああ、私って我侭な奴。^^;;) 
私にしても、ヴァレ君は行くべきではなかったと思いますし。 
ただ、敢えて言わせてもらえば、ヴァレ君とて甘く見ていた――油断も過信もしていたわけではないと思います。 
でも、ヴァレ君は、彼自身が前にも言っていたように、どうあがいても普通の人間でしかなく、凡人でしか有り得ないわけで。だから当然の如く、自分の中での――この世界の中での常識や知識でしか物事を考えることが出来ないと思うのです。まあ、魔道師ですし頭もいいですから、他の一般人よりは遥かに視野も広いだろうし柔軟な思考も持ちあわせているだろうけれど、それはあくまでもこの世界の中での常人レベルでしかないわけで。だから、わかっていても「これほどまで」とは予測することは無理――とまではいかなくても、難しいのではないかと思います。 
それに、私らは読者ですし、全てを――記述されている分の情報はありますから、先のヴァレ君の行動がどれほど無謀なのか判りますけど、他の人は――普通の一般の人には判らないと思うのです。何故なら、それを無謀だと判断するには、あまりにも判断材料が少なすぎるのと、竜王の力が彼らの理解の範囲内を超えているからだと思います。 
多分、そのような中で、相手の力量を予測出来た者がいたとしたら、反乱軍の中ではナリスぐらいでしょう。 
ナリスの頭の中に入っている情報は、他の人に比べれば多いけれど、それだって私ら読者よりは遥かに少ないです。けれども、ナリスはその数少ない情報から竜王の力量を想定し、かなり危険だと感じていたと思います。
だからこそ、あれほどにまでヴァレ君を止めたのでしょう。 
決してリンダのことが心配でなかったわけではないと思います。 

(最も、ヴァレ君が強引にも宮廷に侵入するに至ったのも、色々な感情のもつれ合いのせいもあるとは思います。心理的にかなり焦っていたのも否定出来ません。でも、客観的に見ると、無理をして侵入すべきではなかったと思います) 
 
 



「だが大丈夫だ。なるべく黒蓮の粉には頼らないように気をつけるよ。ことのほか、ヴァレリウスが、あれにはうるさいから。……自分は平気で魔道のために使うくせにね。まったく口やかましいやつだ」
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第一話「反乱勃発」より

 
そりゃあ……魔道で使うのと常用するのとでは全く違いますがな、あんた。(^^; 
でも、思わず口やかましく説教しているヴァレ君を想像してしまいます。……ほろり。
 



「そうなんだよ、リュイス……何も知らず、私にすべてを捧げてくれるあなたたちの前では決して口にはできないが……こんな困難な、こんな苦しいかたちでたたかいをはじめることになるとは、いかな私でも思っていなかった。……私のかわりに先頭にたってたたかってくれるといきごんでいたリンダもなく、私にとっては誰よりもそばで私を支え、万一のときにはともにゾルーガの指輪の毒をあおる決意までもかためてくれたヴァレリウスをも奪われ……私はたった一人だ。こんなからだの私がただひとりでこのいくさを切り抜けて行かなくてはならない……しかも敵はヴァレリウスほどの魔道師をさえやすやすととらえ、私の動静をも……せめて二、三日の余裕はあるだろうと思うその出鼻をくじくようにいきなりけさ、カリナエを襲ってきた――もしかしたら、間諜がここにもいて、いま出した私の指令をもことごとく国王に伝えてつつぬけにしているかもしれない。そのかぎりない不安と孤独のなかで……でも戦わなくてはならない私なのだから……」
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第一話「反乱勃発」より

 
ナリスでさえも先手を取られる――いや、ことごとくナリス側の動静を見張っていたということなのでしょうが。そういう意味においても、かの竜王はナリスの予測を超える程の力を持っているのだと思います。そう、力は……。 
(ホント、竜王さんもここまではよかったんですけどねぇ)
 



(神よ――深く帰依するヤヌスの神よ。私を生みたまいし大神ヤヌスよ……いまこそ私、アルド・ナリスははじめてあなたに祈る……これまで、とかく不信心者、身勝手の徒であった私だが、いまはじめて、あなたの加護をわが体内に流れるまじりけなしの青い血にかけて乞い願う。……神よ、私に力をかしたまえ……どうか、この無力な私に力を……そして……そして……) 
(神よ……どうか、ヴァレリウスを守りたまえ……どうか、いまいちど……いまいちどだけ……無事に、生きて、私のところへ……私のもとへ、彼を――どうか、お願いです。神よ……) 
 いつのまにかナリスの目はかたくとじ、その痩せ細った手は可能なかぎりの力をこめてヤヌスの印を結んでいた。 
(神よ……) 
 ナリスは、おのれの頬を白くつたいおちる涙にさえ、気づかなかった。だが、ようやく目をひらいたとき、ナリスは弱々しくその手をあげて涙を一瞬にしてふりはらった。涙になど、くれているいとまはありはしなかったのだ。
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第一話「反乱勃発」より

 
神に祈り涙を流すナリス……ううっ。(/_;) 
「苦しい時の神頼み」なんて言ってしまえばそれまでですが、かつては「闇の微笑」にてヤーンに喧嘩を売っていた方の台詞とは到底思えないです。自分のことを無神論者とか言っていましたし(笑)
 



(ヴァレリウス……どうしている。とらわれ、キタイの手先の手におちて……むごい目にあっているのか? かつてランズベール塔にとらわれた私のようにか……? 無事でいてくれ、ヴァレリウス――お前がおらぬと、私はこんなにも……)
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第一話「反乱勃発」より

 
こんなにも……何だろう?(^^; 
こんなにも……背中ががかゆくて仕方がない?(^^;(^^; 
#それじゃあ4コマ漫画のオチだって。(^^;
 



「たぶん、ヴァレリウスは……魔道をも封じられて、ヤーンの塔にいるといったな……おそらくは、反逆にくみしたものの名をすべてあかせとひどい拷問をうけているだろう。国王がたのもっとも知りたいのはそこのところだろうし――たとえどのような魔力をもちいても、間諜がいても、そこのところだけは――よほど重大なそれこそ血判をかわした同志のなかに裏切者がいるのでないかぎり、それだけはなかなか知ることはできないだろうからね。むろん、ヴァレリウスは口を割ったりはしないだろうが、そうであればあるほど、酷い目にあわされることになる。……それに、ヴァレリウスにたいしては……もともとが、国王の股肱だったという――裏切者だ、という気持があるだけに、国王にせよ、その側近たちにせよ……扱いはむごくなるだろう……」
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第二話「動悸」より

 
一国の宰相であるにも関わらず、あの扱いは酷いような気がします。ん〜文明国家のすることかしらん。 
……などと、ヴァレ君が絡む場合だけ怒ってみたりします。 
でも、実際のところ、竜王のほうでは血判をかわした同志の名前なんかは皆判るでしょうし、ほんっとうにヴァレ君への拷問というのは個人的な鬱憤晴らし以外の何物でもないですよね。
 



小姓のカイ曰く―― 

「あまり、ご心配なさいますな」 
「ヴァレリウスさまは、あれで、きわめてお心のつよいおかた……その上、パロでは一応有数の魔道師のひとりです。たとえどのような目におあいになっても……きっとご自分で切り抜けられます。大丈夫でございますよ。きっと。なんとかご自分で切り抜けて、ナリスさまのもとへ戻ってこられます」
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第二話「動悸」より

 
いい子や……。(T-T)
 



「待て」 
「それが魔道師ギルドの進言――ということは、だが、カロン大導師は……いや、魔道師ギルドは、リンダを……このままに見捨てろというのか。ヴァレリウスは」
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第二話「動悸」より

 
魔道師ギルドとしては、リンダは殺害される恐れなし、ヴァレ君は見殺しに――と踏んでいるのでしょう。 
実際のところ、ヴァレ君一人を救出するために、多少の被害を覚悟して大量の魔道師を導入するわけにはいきませんし。 
戦略としては全くもって正しいのですが、ヴァレ君ファンとしては……。
 



(それに……) 
(それに――私が、ここでいま、クリスタルを見捨ててカレニアからカラヴィアへ転戦したら……) 
(リンダは……ヴァレリウスは……そしてアドリアンも……) 
(リンダは殺されることはないとしても……ヴァレリウスは……)
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第二話「動悸」より

 
ようやくここでアドリアンの名が(笑) 
……って、言っている場合でもないんですが。 
ただ単身でカラヴィアへ行けるんでしょうかね。カラヴィア公はアドリアンを何とか救出してほしいとお願いするかもしれませんし。 
それにしても、アドリアンは今いずこ?
 



「それに、下らぬ罠をしかけたものだ。ヴァレリウスは、私を裏切ったりせぬ。……たとえこの世のすべてが私を裏切るときがあろうとも、ヴァレリウスだけは」
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第三話「竜王顕現」より

 
うんうん(涙) 
でも、万が一にも有り得ないとは思うのだけれど、もしも、もしもヴァレ君がナリスを裏切ったら――考えたくはないです。というか、考えるのが恐いです、はい。
 



「なさけないざまだな、ヴァレリウス」 
「あっさりと敵の首魁にとらわれるとは。――お前だけが頼みの綱だと知っていながら、なんというざまだ」
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第四話「流血の日」より

 
……上手く言えないんですけど……何か言葉が変。(^^; 
ナリスの本心でないということを差し引いてもちょっと妙です。 
どうもこの台詞の中で「ざま」という言葉だけが浮いているような――取って付けた感じがするんです。気のせいかなぁ。 
深読みすれば、言葉を取り繕ったような感じがします。 
……深読みし過ぎかな?(^^; 

ところで、ヴァレ君はこの台詞を聞いてどう感じたのでしょうか。 
ショックを受けるなんてことは正常な状態なら有り得ないだろうけれど、現状だと判らないですね。 
ここはやっぱり(ナリスさま……無事でよかった……)ぐらいは思ってほしいものです。無理とは思うけど。 
まあ、どの道、「大丈夫か、ヴァレリウス」なんて台詞がナリスの口からヴァレリウスに向かって出るとは思えませんけどね(苦笑) 
他の人相手ならまだしも(確率は低そうだけど)ヴァレ君当人には(多分)言わないかと思います。 
でも、出たら出たで驚くだろうなぁ……ヴァレ君も。(^^; 
 



竜王曰く―― 

(よくもまあ強がるものだとその性根だけは褒めてやろう。だが、われの前でいかにつつみかくそうとて無駄なことだ。われにはお前のオーラが見えるのだからな――お前のオーラは揺れ動き、動揺し、いまにもゆらめきたって燃えつきそうになっている。……よくもそこまでおのれをつつみかくし、偽ろうとできるものだな、アルド・ナリス)

本伝第七十二巻「パロの苦悶」第四話「流血の日」より

 
おのれをつつみかくす――今までナリスはこうして生きてきたんですよね。(お手のものと言えばお手のものなのですが、そういう問題でもないです……) 
そして、このオーラが、仮にヴァレ君にも見えたら、どんなに心配し、心を痛めたことでしょうか。 
そう考えると、そういう能力を持ちあわせていないことは、もしかすると幸福なのかもしれません……。
 



「たとえ目のまえでこの男を責め殺そうとも、私の心を動かすことはできぬ。――妻がはずかしめられようと、この男が責め殺されようと、パロの運命とひきかえにはできぬ。かれらには気の毒ながらパロのためとあきらめてもらうほかはない――おのれのいのちもすでにパロのためにないものとさだめた私だ。いまさらどのように脅迫しようとそれで動きはせぬ」
「ヴァレリウスとても、彼の安全やいのちとひきかえに私がパロを売り渡したとて喜びはすまいさ。リンダもまた同じことだ――かれらは私のもっとも信頼する同志なのだぞ――かれらとともに私は事をおこした。かれらののぞみはただひとつ、パロからキタイ勢力の危機を完全に払うこと――それだけだ。そのためになら、いのちをおとすもまたパロへの忠誠、忠義者のヴァレリウスなら本懐とも、本望とも」
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第四話「流血の日」より

 
この台詞の奥底に秘められた想いを考えると、凄く痛ましくてなりません。 
でも、確かに、リンダにしろヴァレ君にしろ、決してナリスを罵らないと思います。
 



竜王曰く―― 

(たいした気力だな、アルド・ナリス。いや、たいした酷薄さだというべきか。……この男がどれだけお前に尽くしてくれたか、もう忘れたとみえる。――すべてお前のために一生をあやまり――そうでなければごくごくまっとうな安全な道を歩くことのできた男だぞ。それをとうとうこのような地下牢の底まで追込んで責め殺させてもお前の良心はうずかぬというのか。お前こそ、極悪非道の悪魔というべきだな、アルド・ナリス)

本伝第七十二巻「パロの苦悶」第四話「流血の日」より

 
確かにその通りです。 
でも、君には言われたくないぞっと。(^_^;
 



「場合によってはただちにカロン大導師と連絡をつけられるようにしてもらおう」 
「一刻も早くだ。いまならまだ助けられるかもしれん――ヴァレリウスを」
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第四話「流血の日」より

 
こんなにロルカとかの前で「ヴァレリウス」と連呼して大丈夫なのだろうかと思ってしまいました。(^^; 
(何がって……その……二人の癒着ぶりとか……癒着なんてレベルではないですが……)
 



(リンダ。――ヴァレリウス。……お前たちも私を非情とののしるか。それとも最初から覚悟の前であったと――もとより私にささげたいのち、と……そう笑って死地におもむいてくれるか。ヴァレリウス……私のために一生をかえられてしまった男、ときゃつはいった――まさにそのとおりだ、ヴァレリウス……そして、お前は私にいのちをくれるといった……) 
(ヴァレリウス――死ぬときはともにと、こうしてゾルーガの誓いをかわしたのに……)
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第四話「流血の日」より

 
今、ヴァレ君の手元にドーリアの指輪はありません(涙) 
無事、ヴァレ君の手に戻るといいのですけれど……ヴァレ君の前に現われる意外な人物さんが届けてくれないかなぁ。
 



(愚かなものだな、私も――キタイの竜王のような魔道師に対して、朝も夜もあったものではないというのに、まるで朝の光のなかでは、夜よりもちょっと安全だとでもいうかのように……) 
(責め殺された魔道師の首が空から……) 
(ヴァレリウス) 
(竜王は――そのおどしを実行するだろうか) 
(するかもしれぬ。しないかもしれぬ――ヴァレリウスには、私と違って、絶対に私を殺してしまったら古代機械の秘密が奪えなくなるという――そういう、身をまもってくれるものが何もない……) 
(レムスは裏切者として、ヴァレリウスを憎んでいるかもしれぬ。いや、あの残酷なとりあつかいはおそらくそうとしか……だとすれば、ヴァレリウスを惨殺してその死体を送りつけてくるくらいのことは……その気になればやるだろう) 
(許せ、ヴァレリウス――私はお前を見捨てた。そのことは、最初からわかっていたはずだ。パロのためならば、私は決して――決してゆるがないだろうということは……) 
(ヴァレリウス――生きて、そしてなんとか逃げ延びてくれ……そのくらいの力は、たとえキタイの竜王のくびきの下にとらわれているといえども、お前にはあるはずだ。お前は上級魔道師ヴァレリウス、私の最も信頼する参謀ヴァレリウスなのだから……)
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第四話「流血の日」より

 
どうにも区切りが付かなくなって、この辺りの台詞を全部載せてしまいました。 
しかし、ヴァレ君の死体ですか……リンダを人質として(実質上は)使えない今(どうもリンダは必要みたいですし)、可能とはいえヴァレ君を殺害することはナリスに対する人質を失います。人質というのは「生きていてなんぼ」ですから、一度失ってしまったら二度と使えない。だから痛めつけることは出来ても殺害は出来ない……と思いたいんですけどね。ただ、竜王のほうで人質は無駄だ(無理にあらず)と判断されたらばっさり――でしょうけれど。 

でも「なんとか逃げ延びてくれ」って……出来たらとっくの昔にそうしてまんがな。(^^;(^^; 
 



(ヴァレリウス……もう、殺されてしまったのか? まだ責められて、さいなまれているのか……お前の心臓がとまったら、私の――私の心はそれを感じるだろうか?)
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第四話「流血の日」より

 
実際にそうなったら、果たしてナリスはそれを感じることが出来るのでしょうか……出来るのかもしれませんが……考えたくはないですね……(涙)
 



(ヴァレリウス……だがまあ……お前が死体となってかえされてくるとしても……私がドールの黄泉路をおいつくのもそれほど遠いさきのことではないだろうよ……それを思えば、それほど淋しくもあるまい。そうだろう、ヴァレリウス)
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第四話「流血の日」より

 
確かにそうなんですけどね……。 
でも、万が一にもそうなったら、ヴァレ君はずっと待っていると思います。そう、ずっと……。 
だから、万が一にもそうなったら、ヴァレ君の分まで長生きして下さい。 
無理は承知の上ですが……。
 



(唯一の正当なる聖王即位の宣言をする私の……目の前に、見慣れた――懐かしい、優しい……聡明な灰色の目と――やせた顎骨の高い顔をもつ……首がふってきて広場に叩きつけられ……残虐なキタイの竜王にばらばらにひきちぎられたそのからだが、広場に血の雨をふらせる光景が……どうしても目に浮かんでしまう……どうしてもふりはらうことができない……) 
(驚いたことだ……それでは私でも、そうやって血の通っている心臓と、ひとのために気が狂いそうに案ずるこころを持っていたとは。……なんということだろう。いまになってこんなに動揺するとは。しっかりしろ、アルド・ナリス――もう、サイは投げられたのだ。もう、幕はあがってしまった――もう、ひきかえすことは決してできない。遠いモンゴールの地でイシュトヴァーンもまた、剣をぬき、金蠍宮を血でそめたという知らせをきいた――私たちが運命共同体なら、私もまた、たとえ……たとえヴァレリウスの血の洗礼をあびてでも……パロの平和と独立をとりもどすために、あえて反逆者の汚名をかぶるしかないのだから……)
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第四話「流血の日」より

 
竜王に言われてからここまでの間、色々と自分に言い聞かせてきてはいるのでしょうが、どうしても頭によぎってしまう。頭では判っていても、心の中ではこびりついて離れない。中々心のコントロールは出来ないですよね……。 
これから先、常にヴァレ君の安否を気遣う日々が続くかと思いますが、ヴァレ君のことは極力考えずに反乱を推し進めてもらいたいです。心労が溜まると体にさわると思うので……。 

それにしても、ここまで他人を心配しているナリスというのは少年時代のディーンが居た頃ぐらいしか心当たりがありません。 
少なくても、それ以降のナリスでは見た覚えがありません。 
一昔前なら、このようなナリスは想像も付かなかったのではないかと思います。 
リンダに関しては、絶対に大丈夫だと安心しているフシがあるから、現状では何も言えませんが、本当に危ない時は心配するかと思います。イシュトに対しては、彼個人に対する想いは強いだろうけれど、ここまで心配するかは疑問ですね。 
他の人物は……今のディーンは……さてはて。 
 



(ひるむな、ナリス――弱味をみせるな。キタイの竜王とても――どれほど強力であろうとも、それでもきゃつは人間なのだ……それはきのう、あれだけの話をかわしていてはっきりと感じた……もしも愛する者を殺されたら、自らの手で仇をうつまでだ。そのあと血の涙を流すとも、パロのため――中原のため――世界のため……私はもうひきかえさない……)
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第四話「流血の日」より

 
すみません……どう考えても竜王さんは人間外だと思うんですけど……。(^^; 
まーあ、ナリスを隣りに座らせたいと思ったり、ヴァレ君に対する仕打ち等、人間らしいと言えばそれまでですが……。(^^;(^^;
 



「ヴァレリウスではございませんでした」 
「誰だ」 
「アルノーでございました」 
 答えをきくなり、しかしナリスはまた、急に身をたてなおした。一瞬、安堵のあまりうすれかけた気力が戻ってきた。
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第四話「流血の日」より

 
アルノーと聞いてほっとするナリス。 
……って、簡単にほっとするなよ。 
いや、私もほっとしたので人のことは言えないんですけどね。(^^; 

しかし、ナリスに剣を捧げ、ナリスのためにせっせと働いていたというのに、ヴァレ君にあっさりと地位を奪われ(地位って何だ?)挙げ句の果てにイシュト付きに回された末、ヴァレ君の代わりに上から落とされてナリスにはヴァレ君ではないとほっとされる始末。本当にお気の毒としか言いようがありません。 
でも、ナリスのために働いてそれが故にこうなったのだから、それも本望でしょう。 
ただ、71巻で捕まりそうになったら自害すると言っていたけれど、それすらも叶わずに捕らえられたのは、心残りかもしれませんが。 

今までナリスのために、本当にご苦労様でした。 
心安らかにぐっすりとお休みになって下さい。 
心から、ご冥福をお祈り致します。(-人-) 

余談: 
これでイシュトに反乱の知らせが届いていないということになりますが、ナリス側からの連絡が届かないうちに別ルートで反乱の知らせが届き、イシュとがナリスに裏切られたと思い込む――というパターンは勘弁してほしいものです。 
#でも、イシュトだからなぁ。 
 



「ヴァレリウスは……生きている……」
本伝第七十二巻「パロの苦悶」第四話「流血の日」より

 
本編を読む前に「帯」を見ているのと見ていないのとでは、ここまで読む際の心理状況に雲泥の差があるなぁ……と思いつつ。(え? 私は読みました……レジに持って行く前、裏を見たのです……そして、その際に「帯」も……) 

ヴァレ君が生きていることを知り、安堵するナリス。 
私は帯を見てしまったので多少ははらはらどきどき感が薄れていましたが、それでもほっとしました。 
……すまん、アルノー。 
 

 


 

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